仏式のお葬式や法事の時に手にする数珠。その由来と使用方法についてご紹介します。
紀元二世紀頃インドで生まれ、世界各地に広まった数珠。日本には八世紀頃伝わり、今では私たちにとって弔事では身近な仏具の一つとなりました。数珠は、もともと念仏やお題目を何回唱えたかを数えるためのもの。珠の材料は、菩提樹の実や水晶ををはじめ、鉄、赤銅、真珠、珊瑚など。房の付いた親珠を中心に、多数の小さな珠をひとつの輪につないだものが一般的ですが、種類は宗派によって違いがあり、、現在では70種類ほどもあるようです。
数珠の珠は、通常108が基本で、54、42、36、27、21、18と、数が少ないものもあります。108とは、大晦日の夜につく除夜の鐘でも知られるように人間の煩悩の数。そのことからも、数珠は、仏教的には「煩悩を消滅し、仏の功徳が得られますように」との願いを込めて、手にするものであることが分かります。
では実際、あなたは葬儀に参列する際、数珠を携帯していますか?「仏様を拝むのだから、必ず持つ」という人、「スーツにネクタイをするように、数珠を持つのは一種のマナーのようなもの」という人、「特に必要性を感じたことはないから持たない」という人など、それぞれだと思います。いずれにしても大切なのは、故人や仏に対する心持ち。数珠の本来の意味を知ったうえで、相手への弔意を示すアイテムの要素をふまえながら自分自身で選択すればよいのではないかと思います。
数珠は大きく分けて「略式の数珠」と「宗派別の本式数珠」があります。略式の数珠を用意しておけば、仏式の葬儀に参列する際に活用できます。また、数珠にも女性用・男性用がありますので注意が必要です。
略式数珠・・・数珠の基本的なかたちを保ちながら簡略化された一重の数珠で、宗派に関わらず利用できる使い勝手の良い数珠です。
本式数珠・・・「宗派ごとの決まりに添った正式な数珠」です。 本式数珠の多くは主玉が108個あるため、本式数珠は大きな輪になっており、お参りするときも二連にして持つようにします。
男性用・・・珠が大きめで房を含めて全体的に落ち着いた色味のものが多いです。
女性用・・・珠が小ぶりで房を含めて明るめな色や透明感のある物も多いです。
Copyright (c) 株式会社レクストエール. All Rights Reserved.